近年、一般家庭でも井戸水の利用が増えています。お風呂や洗濯などに井戸水を利用することで、水道代を節約することができるとして、注目を浴びているのです。しかし、さく井工事を行い、井戸水を汲み上げても、すぐに使えるようになるというわけではありません。それは、全ての井戸から綺麗な水が出るというわけではないからです。井戸掘りを行う場合、DIYで行うか、業者に依頼するかを選べますが、DIYで井戸を掘る場合、深さ数メートルの浅井戸となるのです。浅井戸の場合、雨水や生活排水、工場の汚水などが地表から染み込む可能性があり、必ずしも綺麗な水とは限りません。一方で業者が行う井戸掘りは数十メートルもの深さになるため、地表から汚水が浸透するということもなく、地中深くから井戸まで水が流れる過程で不純物が取り除かれるため。綺麗な水が得られる可能性が高いのです。しかし、浅井戸だからといって必ずしも汚い水というわけではありません。水質検査を行うことで、どの程度のレベルの水なのか調べることができます。その結果、飲水としては使えなくても、お風呂や洗濯には使える可能性もあるのです。もし、飲用としたい場合には51種類にも及ぶ基準をクリアする必要があります。水の濁り具合や臭い、味や色など、比較的判断しやすい基準から、一般細菌や大腸菌、六価クロムやヒ素といった人体に有害な物質など検査項目は多岐にわたります。水質検査はネットなどでも申し込みが可能で、送られてきた検査キットを使い、水を採取して送り返すと検査をしてもらえます。この検査をクリアすることではじめて飲用として使用できるのです。