井戸掘りを自分でおこないたいときには、まず設置したい場所の地下水までの深さを確認しましょう。浅いところまで掘るだけでよいならDIYでチャレンジすることができますが、深いところまで掘らなければいけない場合は、プロに任せたほうがよいからです。
ここでは、地下水までの深さの確かめ方を解説していますので、まずは調べてみましょう。また、記事の後半ではDIYで井戸を掘る方法や業者に依頼した場合の費用相場などを紹介していますので、参考にしてください。
井戸の深さを確認する方法
井戸掘りをするときには、まずどのくらいの深さまで掘らなければいけないのかを確認しましょう。深さが、4~6mまでの井戸であればDIYで井戸掘りをすることが可能ですが、それより深くなる場合は、プロに任せたほうがよいからです。
【確認方法1】ボーリングデータで確かめる
ボーリングデータとは、地層に関するデータのことで、国が管理をしているものです。ボーリングデータを確認すれば、その土地の土質や地盤の固さなどを知ることができます。
ボーリングデータの確認は、【国土地盤情報検索サイト】で確かめることができます。また、サイトの使用方法は、【国土地盤情報検索サイト“KuniJiban” 操作マニュアル】で詳しく解説されていますので参考にしてください。
【確認方法2】役所や近隣からの情報で判断する
役所では、地域の井戸の設置状況を調べることができます。井戸の設置状況を調べることで、井戸掘りに適しているかどうかを確かめることもできるので、役所へ問い合わせてみるのもよいでしょう。
また、井戸掘りは自然を相手にする作業です。データだけではわからない地域の事情などもあるかもしれません。井戸を保有している方や古くから住んでいる方に、近隣の地下水の状況を尋ねてみると水質や地下水の深さなどについての重要な情報が得られるでしょう。
【確認方法3】プロにボーリング調査をしてもらう
ボーリング調査とは、穴を掘って地質調査をしてもらうことです。ボーリング調査をすれば、どのくらいの深さまで掘れば地下水が出るのかがわかります。ただし、ボーリング調査には費用がかかります。
ボーリング調査の費用相場は、10万円程度です。地質が特殊で固い場合や、深いところまで調査することが必要な場合には、費用が追加されていきます。どれくらいの深さまで掘ればよいのか見当がつかない場合は、井戸掘りをプロに任せることをおすすめします。
DIYで井戸掘り(打ち抜き)をする方法を確認しておこう!
4~6m程度掘れば井戸水が出るようになる場所であれば、DIYでの井戸掘りにチャレンジすることができます。DIYで井戸掘りをおこなうときには、「打ち抜き」という方法がおすすめです。打ち抜きとは、必要最低限の範囲だけを掘り進めていく方法です。
打ち抜き井戸には、穴を掘る時間や労力を節約できる、掘った部分から取り出した土や砂の量が少なくて済むといったメリットがあります。ここでは、打ち抜き井戸の作業手順を紹介しますので参考にしてください。
準備する道具
・井戸掘り機(穴掘り機)
井戸掘りには、専用の穴掘り機が必要です。井戸掘削ツール、井戸掘り機などさまざまな呼び方で販売されていることが多いです。すべて揃えると高額になること、なんども使うものではないことを考えると、レンタルするというのもおすすめです。
・さや管
打ち抜き井戸の外周をおおうための塩ビパイプです。直径75cm~100cm程度の塩ビパイプ管で、井戸の深さと同じ長さになるように準備してください。必要に応じて塩ビパイプの継ぎ手を準備しておきましょう。(作業しながらつぎ足します)
・スコップ
井戸を掘り進める前の穴掘りや、さや管を埋めるときなどに使います。手掘り用の使いやすいスコップがよいです。
・木製ハンマー
さや管を打ち込むときに使います。金づちですと、硬すぎてさや管が割れてしまうおそれがあるので、やさしい木製ハンマーなどを準備しましょう。
・井戸ポンプ
井戸水をくみ上げるためのものです。井戸を掘り終えた後に、井戸の上に設置します。井戸ポンプは、ネットやホームセンターで購入することができます。
井戸掘り(打ち抜き)の手順
DIYによる井戸掘りの手順は以下のとおりです。井戸を掘る場所が決まったら、手順を確かめて、作業をおこなってください。
(1)1mくらいまでスコップで掘る
手掘り用のスコップなどで1mくらいの深さまで穴を掘り進めます。先にスコップで1mくらい穴を掘っておくのは、井戸の外枠となるさや管を埋め込みやすくするためです。作業しやすいように50cm×50cm程度の範囲を掘っておきましょう。
(2)さや管を穴の底に設置する
1mほど掘った穴にさや管を埋めていきます。さや管を立てて埋め込みながら、上から木製のハンマーなどで打ち込んでください。なかなか埋まっていかない場合は、下に大きな石があるかもしれません。その場合には、いちど抜いて障害物を取り除きましょう。
ただ、小さな石であれば、さや管を回転させているうちによけることができますので、試してみましょう。さや管が埋まっていき、長さが足りなくなったら継ぎ手を使ってさや管を付け足してください。
(3)井戸を掘り進める
目的の深さ付近までさや管を埋めることができたら、さや管の中にある砂を掘り出してください。その後、準備しておいた井戸掘り機をさや管の中に入れて、上下に動かします。そうすると、井戸掘り機の弁に砂が入りますので、井戸掘り機ごと取り出して砂を捨てます。
さや管の中の水位が上がってきたら穴堀りは終了です。地下水は、砂礫(されき)という層にたくさん含まれており、それ以上深く掘りすぎると、逆に水を吸い上げることができなくなりますので気をつけましょう。
(4)さや管を埋めてポンプを設置する
井戸を掘り終えたら、さや管をしっかり埋めましょう。スコップなどで丁寧に埋め込み、固定してください。その後、ポンプを設置したら井戸の完成です。
井戸掘り後には水質調査をしよう
井戸からくみ上げた水を、すぐに飲むのはおすすめできません。地下水が飲料水として安全に使えるかどうかはわからないからです。飲料水として使用したい場合には、水質調査をしておくのがおすすめです。
井戸掘りをプロに任せる場合の費用相場
地下水のある砂礫層の深さがわからない、自力で作業をするのがむずかしそうだという場合は、プロに任せて適切に井戸掘り工事をしてもらいましょう。ただし、プロに依頼する場合の費用相場は、20万円~100万円と大きな開きがあります。
費用が大きく異なるのは、掘削面積や深さによって、作業内容や人員、機械、日数が違ってくるからです。そのため、井戸掘りをプロに任せるときには、まず現地調査をしっかりおこなってもらい、見積りを出してもらうことが重要になります。
井戸掘り業者を探す方法
井戸掘りはなんどもおこなう工事ではないので、工事は誰に頼むべきなのかわからないという方は多いことでしょう。弊社では、井戸掘り・井戸工事をおこなうことができる業者を紹介するサービスをおこなっております。
弊社の紹介する業者では、事前に現場確認・地質調査・岩盤の状況を調査したうえで、安全に地下水をくみ上げることができるよう、作業内容と見積りを提示いたしております。業者選びでお困りの際には、お気軽にご利用ください。
まとめ
井戸掘りをおこなうときには、まず地盤についてしっかり調査をすることが大事です。地下水は、砂礫(されき)という地層に多く含まれているので、その砂礫層までの深さが、井戸の深さとなるからです。
もし、4~6m程までの深さに砂礫層があるなら、DIYで井戸掘りにチェレンジしてみてもよいでしょう。しかし、それより深いところまで掘らなければいけない場合や、自力での井戸掘りに自信がない場合は、迷わずプロに任せましょう。
井戸掘りは、自然相手の作業になりますので、計算通りに掘削が進まないことはよくあります。井戸掘り工事についてのお悩みごとは、業者に相談してみるというのもひとつの選択肢として覚えておきましょう。