自宅の庭に井戸があると、水道料金を気にせず好きなだけ水が使用することができます。また災害時、断水になっても水に困ることはありません。そういうメリットを聞けば、庭に井戸を作りたいと思う人もいらっしゃることでしょう。
しかし、井戸を掘る際には、メリットばかり見て安直に判断してはいけません。業者に丁寧な事前調査をしてもらって、井戸掘りの費用や維持費はいくらかかるのか、そもそも井戸を掘ることが可能なのかなどの情報を集めてから、作業を始めることをおすすめします。
このコラムでは、自宅の庭に井戸を掘る費用について、井戸を掘るメリットやデメリットについてご紹介します。また、失敗しない業者選びについてもご紹介します。井戸掘りを依頼しようかとお悩みの方は、ぜひご覧ください。
井戸掘りの費用は深さで異なる!
井戸を掘るためには、地中の水が湧き出ている部分まで掘る作業が必要です。このときにおこなうのが『ボーリング』という作業です。ボーリング作業の料金は、掘る深さによって違ってきます。これは深さによって使用する重機や管などが違うからです。
そのため、井戸を掘る場合も、掘る深さによって料金が違ってきます。掘る地質によってかなり違ってきますが、一般的に井戸を掘る場合の深さは、20~40メートルといわれています。この場合の井戸掘りの費用は、おおよそ20~50万円です。
しかし、もっと深く掘らなければ水が出ない場合は、料金も高くなっていきます。50メートル以上掘る必要がある場合は、60~100万円まであがってしまうのです。
井戸のランニングコストは0円?
家庭用として井戸水を利用した場合、水道の水を使用していないため、水道代はかかりません。しかし、使用した水を流すために、下水道料金は支払う必要があります。
下水道料金は、通常の計算ではなく、家族の人数に応じた割安な計算になっている場合があります。また、市区町村によっては、家庭用として井戸水を使用している家について、下水道料金が割引されることがあります。
井戸水を使用するときは、「公共下水道使用届」といった届け出をおこなわなければなりません。もし届け出をせずに下水道を使用すると、罰金を課せられることがあります。井戸水を使用する場合は、忘れずに届け出をおこないましょう。
商業用として井戸水を使用するのであれば、地盤沈下を防ぐために使用量を規制されることがあります。使用した水の量を測るためにメーターを設置し、使用した量に応じた下水道料金を支払わなければなりません。
また、たとえ井戸水が出たとしても、すぐに飲み水として使用することはできません。なぜなら、水道水のように浄水場で浄化、消毒をされていないからです。そのため、しっかりとした水質調査をおこなう必要があります。
調査をおこない、飲み水として使用しても安全であるという結果が出なければ、飲むことはできません。もしも飲み水に適していない場合は、水質を改善するための装置を設置すれば飲むことが可能です。
水質を改善する装置は、さまざまな種類があります。これらの装置は、6~10万円が一般的です。高性能な装置であれば25万円ほどするものもあります。また、これらの装置にはメンテナンスが必要となり、その費用もかかります。
このように、井戸水を利用してもランニングコストは0円になることはありません。場合によっては、水道水を利用するよりも高くなってしまうこともあります。
井戸掘り工事の期間や作業の流れ
井戸を掘る作業は、次のようにおこないます。ここでは、井戸掘りにかかる期間や作業の流れをご紹介します。
井戸掘りにかかる時間
井戸を掘るのに必要な時間は、掘る場所や井戸の大きさ・深さによって違ってきます。たいていの場合、7日から10日くらいで、水は湧き出てくるとされます。しかし、中には10日以上たっても湧き出てこないこともあります。
水が湧き出るかどうかは、事前調査をおこなうことで、ある程度判断することが可能です。そのため、業者による事前調査はしっかりとおこないましょう。
井戸掘りの作業の流れ
井戸を掘るには次のような流れで工事をおこないます。これらの一連の作業にかかる期間は、おおよそ7~10日です。
- 1.希望場所の決定
- 2.事前調査
- 3.掘るための機器の準備
- 4.作業開始
- 5.取水位置に装置を設置
- 6.井戸の内部を洗浄
- 7.くみ上げポンプの取り付け
井戸掘りは、このような手順でおこなわれます。しかし、なかなか水が湧き出てこないときは、掘る深さや場所を変えることがあるため、工事期間が長びくことがあります。
井戸掘り業者を選ぶときのポイント
数ある井戸掘り業者の中から、信頼できる業者を見つけるには、数社から見積りをとることが大切です。いくつかの業者からもらう見積り内容を比べて、自分が納得のいく業者に依頼をしましょう。以下は、業者を選ぶ際のポイントになります。
1.追加料金が発生しないか
業者によっては、工事後に追加料金を請求されることがあります。見積り金額から追加料金が発生しないか、どういった場合に追加料金が必要になるかなど、しっかり確認しましょう。
2.もしも水が出なかったときの対策があるか
湧き出る水の量が少ない場合や、水が出ない場合には、返金保障をしている業者もあります。依頼する前に保障についても確認しておきましょう。
3.実績が豊富であるか
多くの実績がある業者は、経験も豊富です。依頼するなら実績が多い業者を選びましょう。
4.ご近所への配慮をおこなってくれるか
工事中に、掘削作業時の騒音や工事車両の出入りなどに関して、近隣の方に配慮してくれる業者を選ぶとよいでしょう。工事前の挨拶などもおこなってもらうとよいです。
5.アフターサービスがあるか
井戸は、定期的に掃除をおこなう必要があります。また、汲み上げ用のポンプに不具合が出たときなどの対応も可能であるか、確認しておきましょう。
上記のポイントをおさえている業者であれば、依頼しても大きなトラブルに発展する危険性は少ないといえます。
井戸を設置するメリット・デメリット
自宅の庭に井戸を設置するには、メリットもデメリットもあります。井戸を掘ることを決定する前に、まずはメリットとデメリットについても知っておきましょう。
井戸のメリット
井戸水を利用するメリットは、次のとおりです。
・水道代がかからない
水道水を使用していないため、水道代がかかりません。そのため、料金を気にせずに使用することができます。
・1年を通して温度が一定
井戸水は地下水をくみ上げているため、夏でも冬でも1年中、水温が一定しています。
・災害時でも水に困らない
災害時、水道水が断水で使用できなくなった場合でも、井戸水は使用することができます。
そのため、水がなくて生活に支障をきたすようなことにはならないでしょう。しかし、電動の汲み上げポンプを使用している場合は、停電時に使用することはできません。
このように、自宅の庭にいつでも使用できる井戸があれば、水道代を気にすることなく、おいしい水を飲むことができます。また、災害時でも、水道水だけを使用しているときと比べて、飲み水やトイレなどで水に困るリスクが低いです。
井戸のデメリット
井戸を掘ることは、メリットだけでなく、デメリットもあります。
・水質がいいとは限らない
土地によっては地下水の水質が悪く、そのままでは利用できないこともあります。地下水は必ずしもきれいとは限らないため、注意しておきましょう。
・停電時には使用できないことがある
井戸水をくみ上げるポンプが電動式のものを使用していた場合、停電時には井戸水を使用することができません。
・ランニングコストがかかる
井戸水などを飲用している場合は、使う人が自分自身で、井戸などの施設や水質の管理をしなければなりません。そのため、定期的な井戸内部の掃除や、水質を改善する装置を使用しなければならないなどの、コストがかかってしまうこともあります。
飲用としてそのまま利用するためには水質を改善する装置を取り付ける必要があり、それは10万円以上することもあるのです。
これらのデメリットのほかにも、生活に必要な水の量が湧き出ないときは、水道水を使用しなければならないといったこともあります。井戸を掘るなら、よく考えてから決めるとよいでしょう。
まとめ
自宅の庭に井戸を掘る場合、どれだけ深く掘るかによって費用が変わります。一般的な井戸掘りの費用は20~40万円となります。
井戸水を使用するメリットには、カルキ臭のしない生活用水が使用できること、水道料金をきにせず使用することができる、災害時、断水しても水に困らないなどです。
その反面、井戸の維持費がかかる、井戸掘りしても水が出ないこともあるといったデメリットもあります。庭に井戸を掘りたいと思ったら、まずはメリット、デメリットをよく考えてみましょう。
失敗しないためには、信頼できる業者に依頼することも大切です。弊社では、無料でお見積りをおこなっております。井戸掘りについてお不明な点などございましたら、お気軽にご相談ください。