井戸とは、簡単に言えば地下水を汲むための道具です。地上で雨や雪が降りますと、その水分は地下に染み込んでいきます。その間にミネラルを含んだり、不純物が取り除かれ、綺麗になった地下水を利用しているわけです。しかし、地下水は川のように地下を流れているわけではありません。地下の砂利や岩盤の割れ目など、細かい隙間の中を縫うように流れているのです。
また、地下水は大きく分けて「不圧帯水層」と「被圧帯水層」の二種類の地層を流れています。不圧帯水層は地表に近い帯水層で、浅井戸はこちらの帯水層を流れる地下水を汲み上げます。地表に近いことから比較的施工は簡単ですが、その代わり汚染などの影響や、水量の変化などの影響が大きくなります。この不圧帯水層の下には、粘土層などの粒子の細かい不透水層があり、そのさらに下に被圧帯水層があります。こちらは深井戸によって汲み上げ、水量や水質の変化も小さくなっています。さらに、こちらの帯水層は圧力が加わっているため、条件次第では地表に噴き出すこともあるのです。
水の豊かな日本では、地下水も豊富にあります。国土交通省では地下水マップを作成しており、それを見れば地下水の量や質を確認する事もできます。井戸工事はその分野のノウハウを持った業者に依頼するのが一番ですが、事前にそれらの資料を確認してみるのも良いでしょう。