井戸水と言うと、1年中温度が一定で、深井戸から組み上げられる水は特に、綺麗でそのまま飲めそうなほど澄んだ水という印象がある方も多いと思います。
しかし、深井戸の場合も浅井戸の場合も、そのまま飲用に供するのは大変危険です。もちろん、保健所などの検査により、水質がそのまま飲用水として使用できるレベルのものだとされれば良いのですが、今の日本、特に都市部でそのレベルを維持できているところは少ないのではないでしょうか。
井戸水を始めとして、飲用水として利用される水については、細菌数、色、臭気、そして鉄の有無などで判定がされています。
また、重金属類は、体の中に取り込むと様々な障害を引き起こす原因になるため、厳しい制限が設けられており、水道水ではこれらの金属が取り除かれています。
しかし、井戸水ではこれらがそのまま含まれている場合があり、地域によっては高濃度になっているので、見た目に問題がなくても、必ず検査を行ってから、利用しましょう。
最近では、これらの重金属類の除去ができる浄水器も発売されており、適切に処理すれば、問題なく利用可能な水が殆どです。
◇重金属の例
鉛……長期間摂取すると鉛中毒の危険がある。
クロム……六価クロムがよく知られている。発がん性物質として扱われており、肝臓障害等の原因にも。
カドミウム……骨や関節に蓄積して、骨が弱くなる。よく知られているのはイタイイタイ病の原因物質として。
マンガン……人体にとっては必須元素。多量に摂取して中毒症状を起こすと頭痛や関節痛、ジストニアやパーキンソン症候群の原因に。